キイハンターと聞いて懐かしいと思う人は私と同年代か少し上の方である。昭和40年代にテレビ放映された千葉真一主演のアクション系ドラマだ。
その第161話と第162話は尾小屋鉄道で撮影された事は軽便ファンの間では良く知られている。放映の一部がYouTubeでも見る事ができるが、DVDがレンタルされていると知り、レンタルビデオ店を探してみた。しかし何軒か回ったが見つからず、結局、最近になって宅配レンタルで借りられる事が発覚。すぐに申し込んでみたのだった。
第161話は『荒野の列車大襲撃作戦』のタイトルで1971年5月1日、第162話は『蒸気機関車大渓谷の決戦』で翌週の8日に放映された。あらすじは国際警察が逮捕したテロリストと人質に捕られた仲間の引き換えのために廃鉱になった尾小屋を目指し、大激闘の末小松市内に戻るというもの。内容は強引で無理のある展開であるが当時としては結構真剣に見ていたのかも知れない。
尾小屋鉄道のシーンはこのカットから始まる。尾小屋鉄道の新小松駅だ。

そしてロケ用に仕立てた列車がコレ。当時、運行はディゼルカーが主流で5号機は休車状態だったが久しぶりに火を入れたという。

新小松駅構内の様子はこんな感じ。模型にしたくなるような光景です。

続いて走行シーン。機関車の後方に客車を3両、貨車を2両連結した混合列車です。上空に鉱石運搬用の索道を映し込んでいるあたりが憎いですね。

列車は途中で切り離されて機関車と客車が1両になって尾小屋に到着します。

尾小屋鉱山の様子。現在では緑に覆われているそうですが、当時はまさに荒野ですね。

尾小屋鉱山での死闘の末、追われながらも尾小屋鉄道に乗り込むシーン。客車の下を機関車のキャブ下まで進んで機関車を発進させます。

尾小屋から小松に向けて発車した列車。アレレ?下り列車と全く同じ編成。撮影は片道で行ったのでしょうか?

編成は有蓋貨車ワフ3+車番不明の無蓋貨車+客車ハフ2+ハフ1+ホハフ3+5号機です。

暫く走行しながらの格闘シーンが続きます。



列車のシーン終盤は屋根上での格闘。千葉真一の相手は天地茂です。スタントマンなしでやってます。


この後、列車を急停車させてジープに乗り換えて列車シーンは終了します。走行シーンは似たようなアングルが多く使いまわし映像もあります。他にも新小松駅構内、尾小屋駅構内、倉谷口隧道など施設も見られ、当時の尾小屋鉄道周辺の様子も窺い知ることができ、貴重な記録にもなっていると思います。
ドラマの中では何たってジープでも追いつかない列車に、千葉真一が山道を走って追いついてしまうのにはビックリです。結構笑えますので是非ご覧になって下さい。
尚、尾小屋鉄道のロケは1971年4月3日リハーサル、翌4日に撮影だそうです。
《参考HP》
高田三郎氏『過去の旅 キイハンターの日』
小松市のマニアック情報 『小松市を舞台にしたドラマ キーハンター』